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by youz


セカンドベスト

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外交交渉に完勝はありえない、と思っています。
今回は政府および外務省を評価すべきでしょう。
問題の先送りに過ぎない、という批判も当然ありえますが、海底名称問題と領有権が密接にリンクしているため、ここで決着をつけることはできない相談でしょう。
妥協しすぎ、甘すぎる、とも思いません。
そもそも調査自体が韓国によるIHOへの海底名称提案へのカウンターである以上、提案を先送りさせることに成功した以上、調査を強行する理由は日本側にはない。もちろん、日本領である竹島の周辺において海洋調査を行うことが日本にとって所与の権利であるということは踏まえた上で、です。

竹島問題をあそこまでフォーカスすることが、あの島を事実上実効支配下に置いている韓国にどのようなメリットがあったのか実に疑問です。
「わが国EEZで他国が科学的測量を行うことは、わが国の主権を何ら制限するものではない。独島がわが国の領土であることは自明であり、騒ぎ立てることではない」
…ってあっちの大統領または外商部が発言していたら、ここまで騒ぎ大きくならなかったと思うんですけどねえ。それが韓国だと言ってしまえばそれまでなのですが。
20隻の警備艇を出動させ、海軍にも待機命令。
(まぁ舞鶴に海自護衛艦群がいましたから、海軍待機は妥当かも知れません)
そこまで揃えて2隻の非武装船(調査船)を侵略のシンボルに仕立て上げてしまったり、手持ちのカードが少ない上に、勝利ラインをどんどんレイズしていくあたりはさすが韓国といった感じでしたw

あとまあ、今回の騒動で疑問に思えたことがいくつか。




調査船が拿捕されればという前提に立ち、
曰く、装備人員練度…要するに作戦遂行力の全てにおいて海上自衛隊は韓国海軍より上であるから武力衝突に何ら問題ない。
曰く、日本人とりわけマスコミが国防について覚醒する良い機会だ。
曰く、武力衝突が起きれば世界中に紛争地帯として認識される。(大手を振って国際司法裁判所に付託でき、竹島から韓国の実効支配を排除できる)
こういった意見が散見されました。

同じ日本人である海保隊員の生命身体の安全はどうでもいいのか???
という強い疑問を感じました。
というわけでこの問題については強い関心を持ちつつ、ナショナリズム全開で感情移入しながら見るということはできませんでした。
最大の問題は、韓国において竹島がもはや国家的アイデンティティの一つにまで昇格していることでしょうね。さらに日本における、北方領土などと比較しても信じがたいほどの無関心さ。それが不幸な(あるいは幸福な)すれ違いをもたらしたといえるでしょう。
この問題における最大のステークホルダーは誰か、ということになれば、日韓両国の漁業関係者のはずなんですが、そちらにフォーカスした意見があまり見られなかったのが残念でした。武力行使にせよ竹島放棄にせよ、もっとも割を食うのは彼らなわけですから。

あと、国際社会および日本国内に紛争地域としてアピールするのが狙いだという意見も日韓問わずよく見かけましたが、国際社会が、竹島およびその周辺を紛争地域として認めたからといって何が変わるとは思えません。
せいぜい、「韓国は何を騒いでるんだ?」が、「日本と韓国がまたやってる」になる程度でしょう。

もちろん日本国内という点では、竹島が、対露交渉にあたる者が常に北方領土のことを念頭に置かざるを得ないような、そういったポジションまでのぼりつつある、という点ではかなりの成功ではありましょうが。(狙ったのならね)

竹島問題で外交当局に課せられたミッションは、短期的には上に挙げたとおり。中期的には「より穏便に、日本の権利を認めさせる」ことでしょう。そして長期的には「韓国に領有権を放棄させ、実効支配化に置く」ことでしょうが、これは韓国という国がなくなるまで無理でしょうなぁ。

セカンドベストこそベストである、という考え方もありますし、今回の妥結はまことに穏当なものであったと思う次第です。
韓国の失敗は、「韓国の領有権を日本に認めさせる」という、白昼夢に等しい「ベスト」を追求したあまり、セカンドベストを設定していなかった(少なくともそう見える)ことです。日本の測量に対して無視を決め込むことが考えうる最良の選択だったと思えるのですが。
by youz | 2006-04-24 16:50 | 政治
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